2023.03.30
アメリカ進出のためのアメリカ情報
中国とインドに続く世界で3番目となる3億2,000万人の人々が暮らす大国で、IMFが予測している2020年の名目GDPランキングではトップのアメリカ合衆国。 今回はそんなアメリカ合衆国の基本情報をまとめてみましたのでご参考にしてください。
基本情報
アメリカは世界経済の中心的な国で世界最大のマーケットと称される国です。GDPは世界経済の21%であり、依然として圧倒的な購買力のある巨大市場です。 実際、アメリカへ進出しようとする日系企業は依然として多く、昨年度Digima~出島~に来た国別問い合わせ数ランキングでも4位になりました。 1980年代~2000年代の日系企業のアメリカ進出は大企業のイメージが強かったものの、現在ではサービス業や飲食業の中小企業の進出が増えています。 日米両国の経済は貿易と投資を通じて深く統合されており,エネルギー,インフラ,テクノロジー,地球規模課題等において,日米が様々な取組を協働し更なる経済関係の深化に向け引き続き連携していくことが両国間で確認されています。
また,TPP協定が締結されれば経済面で日米両国の関係が一層強化するとの見方もあり、日本企業にとっても、今後世界の市場競争で生き残っていくためには、米国市場でのプレゼンスをいかに獲得するかが益々重要になる為、今後もアメリカマーケットを狙った進出企業は増えていくでしょう。
アメリカ進出のメリット
1.まだまだ成長の伸びしろがある国
近年、13億7,000万人という世界第1位の人口を擁する中国での消費が注目を浴びています。さらに、2050年には中国を抜いて人口が17億人に達すると予測されているインドも同様です。 しかし、中国とインドに続く世界で3番目となる3億2,000万人の人々が暮らす大国アメリカこそが、いまだ成長を続ける世界最大のグローバルマーケットであると断言しても過言ではありません。
IMFが予測している2020年の名目GDPランキングのトップはアメリカです(※2位が中国。3位が日本)。 また、GDPを購買力評価で換算した、いわゆる購買力平価GDPの順位を見てみると、2014年に中国にぬかれてしまったものの、2020年の予測では2位をキープしています(※3位がインド。4位が日本)。また、アメリカのそれは世界経済全体の21%を占めています。
これらの数字から、アメリカという国が、近い将来も圧倒的な購買力を持つ巨大市場である続けていることが理解できると思います。 ケインズ経済学では、いくら人口が多くても購買力を伴っていなければ、経済成長に結びつかないと説いていました。
またケインズは、有効需要という言葉を提唱し、その重要性が経済成長に欠かせないとも説いています。 21世紀のグローバルマーケットにおいても、アメリカの市場にはまだまだ伸びしろが残されているのです。これらの事実は、日本を含む各国の企業が進出する上で大きなインセンティブであることは間違いありません。
2.製造業の拠点としてのアメリカ
日本ではあまり知られてはいませんでしたが、前オバマ政権時代からの国の政策によって、アメリカは改めて製造業へ力を入れようとしていました。 政府からの巨額の融資によって米国内の企業はもちろん、欧州、中国、韓国、アセアン等の企業も米国内での製造拠点の確保に力を入れていたのです。
さらにトランプ政権の発足を受けて、経営再建中のシャープが、製造業の拠点を再び米国内に呼び戻すという、トランプ政権の雇用重視の姿勢を意識して、米国・ペンシルバニア州に液晶パネル工場を新設するといった、新たな動きも出ています。 そもそも名だたる先進国でありながら、世界3位という雄大な土地を有しているのがアメリカという国です。
加えて、天然資源も豊富であり、原料調達から生産・加工まで、国内でまかなうのも可能で、地政学的リスクや為替リスクなど様々なリスクヘッジにも貢献することでしょう。 これらの事実こそが、アメリカ進出の“隠れたメリット”でもあるのです。
3.自社のプレゼンスを世界的に高めるための最短ルート
現在、アメリカには2,000以上の日系企業の製造工場が存在します。この中には、それこそ数十年も前からアメリカで活躍し続けている企業もあれば、ごく最近に進出を果たした企業もあります。
結論から言えば、アメリカでの成功は世界での成功と直結します。これはエンターテインメントの世界でも、ビジネスの世界でも同様の事実です。 例えば、日本のトヨタ自動車は世界的な自動車メーカーです。今日のグローバルマーケットにおけるトヨタの地位を築いた最大の要因は、北米進出を果たした結果の「アメリカでの成功」であることは言うまでもありません。
そのトヨタの高級ブランド社である「レクサス」ですが、そもそもは日本よりも先に、1989年にアメリカにて販売が開始されました。 トヨタならではの「高い機能性」と「高品質かつ安全」というふたつの強みを最大限にアピールすることで、レクサスはアメリカにおける“従来の高級車の概念”を覆し、新たな高級車のコンセプトを確立しました。 つまり、日本車を海外に持ち込み、新たなシェアを確立し、そのコンセプトにさらに磨きをかけた上で、「レクサス」という新しいブランドを立ち上げるまでに至ったのです。
レクサスブランドは、2005年より日本国内でも販売が開始されましたが、いまやメルセデスやBMWと肩を並べる高級車としての地位を確立しています。 このトヨタの事例から、アメリカ進出で成功することは、自社のプレゼンスを世界的に高めるための、もっとも効率的な最短ルートであると言えるのです。
まとめ
アメリカは世界最大の経済大国です。人口も増加を続けていることから、今後も経済成長に期待が持てます。アメリカという巨大なマーケットで成功することは非常に大きな利益があるといえます。海外進出を大きく前進させるためアメリカ進出を検討してみてはいかがでしょうか。